【在日外国人にインタビュー】日本のダイバーシティに足りないこととは?

コラムをご覧の皆さま、こんにちは!
メンバーのSumikaです。

現在、学生団体CORUNUMでは総勢20名の現役大学生・高校生メンバーが活動しています!
メンバーの数が増えるにつれ、新しい事業に挑戦できる機会も増えました!!
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そこで、今月から新企画『DIVERSITYコラム』をスタートします!

これは、メンバーが独自に
・ダイバーシティ
・共生社会
・サステナビリティ・SDGs
などのトピックについて調査し、執筆するものです。

『DIVERSITYコラム』第1回目の本日は、
日本在住歴7年のアメリカ人Mattさんに、日本のダイバーシティについてインタビューをしていきます!

    • 在日外国人の視点から見た「日本」とは
    • 日本のダイバーシティに足りないこととは

気になる方は必見です!!皆さん是非、最後まで読んでくださいね〜☆

【CONTENTS】

      • Mattさんのご紹介
      • 日本で生活するうえで感じる困難?差別?
      • 日本のダイバシティーについてどう思う?
      • 子どもたちに「多様性」を教える大切さ
      • 今後の日本に必要なこととは?

Mattさんのご紹介

アメリカ ニュージャージー州ご出身のMattさん。日本在住歴は7年です。
日本初来日は大学時代。米国の在籍大学で日本語を第2言語として勉強していたこともあり、京都で半年間の留学を経験します。

大学卒業後は、福井県にて行政に従事。約2年間、福井市内のダイバーシティ推進事業に貢献します。
地元の小学校で「多様性」「異文化」を教える特別授業などの活動も積極的に促進したそうです!

その後は東京へ移動し、現在は外資系不動産企業で働いています。 

今回はそんな彼に、

    • 在日外国人として感じる困難
    • アメリカ人から見た日本のダイバーシティ
    • 実体験をもとにした「グローバル教育」の重要さ

についてお話を伺います。

日本で生活するうえで感じる困難?差別?

日本に在住してから人種差別を感じたことはありますか?
または、なにか「生活のしづらさ」など困難を感じた経験があったら教えてください。

これまで、日本で人種差別を受けたと認識したことは、あまりありません。

しかし、日常生活でマイクロアグレッション (microaggression) を感じることはあります。
これは、意図的ではないけれども、差別や偏見と捉えられてしまう言動を指します。
当事者も「差別的・否定的」な態度であることを意識していない場合がほとんどです。

例えば、電車に乗っているとき、自分が座っている席の隣に1度座った方が、あからさまに席を移動したり、
自分の隣だけ誰も座りたがらなかったり。このような体験は何度がありました。

また、外国人だからという理由で、シリアスに扱われないということもしばしばあります。
こちらは真剣に話しているのに、ジョークを言っているかのように捉えられてしまうことがあるのです。

なるほど。外国人の方がシリアスに扱われない傾向があるのはなぜだと考えますか?

個人的な意見ですが、これは日本のメディアが生み出す「外国人」のステレオタイプが原因の1つだと思います。
外国人タレントをコメディ要素として、おもしろおかしく取り上げることの多いメディアが、人々の認識に影響しているのではないでしょうか。
それらメディアが作り上げる、外国人に対する偏見や不正確な認識 (misconception) がマイクロアグレッションに繋がっているのだと考えます。

私自身はあまり人種差別を経験したことはありませんが、在日外国人の人々の状況は様々です。
私が人種差別に遭遇しない理由の1つは、白人男性であるからかもしれません。
なぜなら、白人男性は、米国でも、国際社会の中でも、比較的パワーが強い者と認識されがちだからです。

しかし、言語や文化の壁だけでなく、人種や国籍を理由にした差別やヘイトスピーチ、社会からの不当な扱いに苦しむ人々が存在するのは事実です。

だからこそ、在日外国人という「集団」で人種差別問題を考えるのではなく、
差別問題は「個人」によって形態も程度も様々であるという認識が重要だと思います。

日本のダイバーシティについてどう思う?

アメリカ社会も日本社会も経験しているMattさんは「日本のダイバーシティ」について、どのように考えますか?

他先進国同様に、日本社会も徐々に多様化していると思います。
欧米諸国に比べると、「ダイバーシティ化」のスピードが遅いように感じられますが、
だからこそ、変革に伴う大きな障壁に遭遇しないのではないかと考えます。

アメリカは、「移民大国」とよく呼ばれますが、実際には、
移民や難民など社会的弱者に十分な社会保障を提供できていないという大きな問題があります。
さらに、障がい者や精神疾患のある人々は国から十分な援助が受けられず、支援施設も整備が整っていないため、最終的にホームレスになってしまうという事例も多々あるのが現状です。

一方で、ジェンダー平等に関しては、日本はまだ遅れていると感じます。特に女性差別問題は根強く日本社会にあるのかなと。

たしかに、最近では、日本オリンピック委員会(JOC)森元会長が女性蔑視発言をして、国内外から大きな批判を浴びましたね。

日本に比べ、アメリカでは、「アイデンティティを共有して、自分と異なる人を認める」という文化は強いです。

逆に日本では、「国籍」や「血統」を重んじる閉鎖的なナショナリズムがあるように思います。
歴史的にも、国籍や血統によって「日本人」という定義付けがされる文化が根強くあるような気がします。
だからこそ、国籍や外見が異なると、「外」または「異」の者と捉えられがちです。
私自身も、やはり「周りから異なる扱いを受けている」と感じることは多々あります。

日本社会の中でマイノリティである在日外国人の中で、さらにマイノリティな人々は、
翻訳や通訳などのサポートがなく、コミュニティから孤立してしまったり、各自治体で十分な支援を受けられなかったりしています。
実際に、私が働いていた福井市でもそのような事例がありました。
もちろん、福井市では外国人市民がスムーズに快適に生活できるように行政通訳サービスや、
7言語での生活ガイドブックの配布、公式ウェブサイト上での多言語での情報提供をしています。
ただ、それでも全ての在日外国人に対して十分な支援ができていません。

このような孤立・差別問題を解消するには、他者に対する理解を深め、偏見やステレオタイプを排除していくことが必要だと思います。

子どもたちに「多様性」を教える大切さ

Mattさんは福井県で子どもたちに「多様性」や「異文化」の特別授業をしていたとお話しされていましたが、
具体的にどのような授業をしていたのですか。

内容は様々ですが、「異文化理解」「多様性の大切さ」をテーマに授業を展開していました。
また、対象が小学生だったので、アクティブに楽しんで学べる機会を提供できるように努めました。

例えば、肌の色も、目の色も、髪の色も異なる人々が並んだ写真を子どもたちに見せて、
「この人たちの共通点はなんだろう」という問いを投げかけました。
子どもたちからは「日本人ぽい人がいる」や「みんな人間」などのユニークな回答が多く出ました!

子どもたちに投げかけた質問の答えは、「みんなアメリカ人」

私が、その写真を通して伝えたかったメッセージは「国籍」と「人種」は必ずしも一致しないということです。

人種も民族も外見も異なる人々が「アメリカ」という大きな社会で共存しているのです。
皆「アメリカ人」という共通のアイデンティティを持ちながらも、それぞれが、異なる文化・価値観・歴史・考え方を持っています。
また、「アメリカ」人というのはたった1つのアイデンティティにすぎませんから、彼らのアイデンティティも多様です。

さらに、「多種多様な人々が共に暮らす共生社会で大切なことはなんだろう」という質問に対して、みんなで話し合う場を設けました。
「共生社会」を平和で平等に保つには、他人を尊重し、理解しようとする意識が不可欠であるということも子どもたちに伝えたかったからです。
国籍や人種などのラベルを通して、他者を見るのではなく、
「個人個人の多様性や個性を尊重し、理解を深めようとする姿勢」が大切だと考えます。

今後の日本に必要なこととは?

近年のグローバル化に伴い、外国人労働者や移民・難民をはじめとする在日外国人の数は増加傾向にありますよね。
これからダイバーシティを一層促進するために、日本に必要なことは何だと考えますか。

今後、日本社会全体でダイバーシティを進めるうえで、『グローバル教育』が大きな役割を担うと思います。
例えば、多様なアイデンティティ、異なる文化を持つ人々について学ぶ機会を増やすことです。
「異文化」や「多様性」への理解を年齢が若いうちから促すことで、自然とダイバーシティの輪は広がっていくはずです。
さらに、『グローバル教育』の中で重要なのは、異文化・グローバリゼーション・グローバルイシューなどのトピックについて、
1人1人が意見を持って積極的に発信する能力を育むことだと考えます。
次世代を担う子どもたちに「世界の多様性」を教えること、「自分と異なる人を理解する力」を育むこと、その意義は大きいはずです。

ダイバーシティを推進するうえで、もう1つ大切なことは、
「日本人」という曖昧な定義の見直しです。
従来の「国籍=人種」という理解は、社会の根本から多様化を
推進するうえで障壁になり得ます。
昨今では、国際結婚の増加と共に、いわゆる「ハーフ」の子どもたちも多くなった気がします。
さらには、外国籍の両親から生まれた日本育ちの子どもや、帰国子女や二重国籍など、個人のアイデンティティの多様化も見られます。
そんな今だからこそ、なにが「日本人(Japanese-ness)」を定義するのか、再度見直す必要があるのではないでしょうか。

おわりに

在日アメリカ人のMattさんのインタビュー、いかがだったでしょうか。

    • 偏見やステレオタイプから生まれるマイクロアグレッション
    • 米国と日本におけるダイバーシティの違い
    • 「グローバル教育」の重要性
    • 「国籍≠人種」という考え方

について、シェアしていただきました。

皆さんにとって、新たな発見や視点を得る機会になったら嬉しいです!

我々CORUNUMは、多様なバックグラウンドやアイデンティティを持つ人々が自由に意見を発信し、
ディスカッションをするコミュニティを拡大することも、ダイバーシティ促進に貢献できると考えます。

今後も、このような意見を発信するプラットフォームの提供ができるように頑張ります!!

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次週の「DIVERSITYコラム」はメンバーのFumikoが担当します!乞うご期待!!