国際女性デーについて

こんにちは。CORUNUMメンバーのSayano,Rika,Ai,Natsukiです。

3月も残すところあとわずかとなってきましたが皆さんは、
先日「国際女性デー(international woman’s day)」という日があったのをご存知ですか?
この日は「女性の十全かつ平等な社会参加の環境を整備する」という目途のもと、
国連によって1975年の3月8日以来定められました。

この国際女性デーをはじめとし、国内外の女性議員の進出状況を詳しく考察していきたいと思います。

各国の国会参加議員の女性率

     まず、IPU(列国議会同盟)が発表している2021年1月時点での
     国会議員の女性率をランキングで見てみましょう。

     トップ5の国々は半数近くが女性議員であるのに対し、
     日本での女性の割合は9.9%と世界第166位です。
     男女平等を説くこの時代、一見格差は縮まってきたように思えますが、
     まだまだ改善すべきところはたくさんあるということですね。

     上位5ヵ国と日本では、具体的に何が違うのでしょうか。
     現在、首相が女性であるニュージーランドに着目してみましょう。

ニュージーランドでの女性参政権

     今から128年前の1893年、ニュージーランドは世界で初めて女性に参政権を与えた国として有名です。
     日本で女性参政権が認められたのは1945年なので、かなり女性進出が早かったことがわかりますね。

     この女性参政権が認められるきっかけを作った女性、
     ケイト・シェパードはニュージーランドの10ドル札に載っています。

しかし、女性参政権が認められてから初の女性国会議員が
誕生したのは40年もの歳月を経てからでした。
挫折を繰り返しながらも諦めずに続けた女性進出運動は
今のニュージーランドの多様性に大きく影響しているでしょう。

女性首相

     1997年、長年の女性進出運動の末、ジェニー・シップリーが
     ニュージーランド初の女性首相を務めました。
     それに続き、1999年にはヘレン・クラークが二番目の女性首相、
     2021年現在、ジェシンダ・アーダンがニュージーランド史上最年少で、
     三人目となる女性首相を務めています。

     ジェシンダ・アーダン首相はコロナウイルスに対する迅速な対応で
     今世界中から注目を集めている女性ですが、過去に様々な行動を起こし、
     女性が働きやすい環境作りに大きく貢献しています。

     例えば、彼女は世界で初めて産休、育児休暇を現役中に取得しました。
     就任から僅か3ヶ月後のタイミングでの発表は国内だけでなく世界中を驚かせましたが、
     その多くは彼女の仕事と育児に対する考え方に感銘を受け、肯定的な意見へ流れていきました。

     「私だけが育児と仕事を同時にこなしている訳ではない。
      そして子供を持ちながら仕事をするのは私が最初ではない。
      この2つを両立している女性はこれまでにも沢山いた。」

     復職後にTVNZ(テレビジョンニュージーランド)てそう語る彼女は、
     世界中の女性に勇気と目標を与えました。

     育児休暇の他にも、国会に子供を連れて参加するなど、
     仕事と育児を両立する彼女は女性の社会進出に大きな影響を与え、
     多くの女性のロールモデルとして今後の活動にも期待が高まります。

日本 女性参政の歴史

      明治時代の終わりから大正にかけて、
     日本の女性の間にも参政権を求める声が高まりました。
     その中心となったのが、平塚らいてう、市川房枝です。
     こうした活動で女性が政治集会に参加する権利を得たものの、
     参政権の獲得には至りませんでした。

     第二次世界大戦後、状況が大きく変わります。

     1946年4月10日、戦後初めての衆議院議員総選挙が行われ、
     約1,380万人の女性が初めて投票しました。
     その結果、39名の女性国会議員が誕生しました。

     第1次、第2次世界大戦中、息子や夫、父が前線で戦っている間に、
     社会を支えていたのは女性でした。こうして、2つの大戦を経て、
     世界中で女性の参政が進むことになりました。

      しかし、その後の日本は諸外国に比べて女性議員の増加が進みませんでした。

     男女共同参画局のデータを見ると、1980年代までは日本と差がなかった
     イギリスやフランスが、その後大きく女性議員の割合を伸ばしていることがわかります。
     フランスでは憲法を改正し、比例代表選挙では5割の女性議員候補の擁立が義務付けられました。
     家父長制的なイメージの強い韓国でも、法律の制定によって女性議員が倍増しています。

女性の政治進出が進まない理由

     日本で女性進出が進まない理由には、以下のようなものがあると考えられます。

1.地方議会に女性が少ない

     地方議会には昔ながらの「土着権力」、つまりその土地の有力者が幅を利かせ、
     未だに「女は政治に口を出すな」という雰囲気が根強く残っています。
     地方議会は国政に進出する予備軍となる場であり、
     そこに女性が少ないというのは諸外国では見られない状況です。

2.男性社会の「議会」

     また、女性議員に対するハラスメントも、近年浮き彫りになっています。
     2014年、都議会本会議で一般質問に立ち、女性の妊娠や子育てへのサポートについて
     取り上げた塩村文夏議員に、男性議員からこのようなヤジが飛びました。

       ー「自分が早く結婚したほうがいいんじゃないか」

     途端に場は笑いに包まれ、声の主に顔を向けた塩村議員に、
     追い打ちをかけるように「自分が産んでから」のヤジも浴びせられました。

     ヤジを浴びせた自民党は、抗議に対して曖昧な態度を取りました。
     事態がうやむやになろうとしていた時、
     塩村議員本人のツイートによってこの出来事が明るみ出て、
     日本各地のいびつな現状を印象付けました。

     私たちが女性議員への深刻なハラスメントを認識するきっかけとなったのはこの出来事でしょう。

     2017年には、熊本市議会に生後7か月の子供を連れて女性議員が出席しようとしたところ、
     他の議員から退出を求める声が上がったというニュースも話題になりました。

3.意識の低さ

     女性で、政治に興味を持っていない人が多いということもあげられます。
     女性議員の進出が遅れることで、将来の姿を想像しにくいために、
     多くの女性にとって政治家という生き方が魅力的に感じられなくなっていると思います。
     男性と女性が政治について対等に語り合うことの重要さを認識しづらく、
     女性と政治の距離は、今も遠いままです。
          参考 『女たちの情熱政治』東京新聞・北陸中    日新聞取材班 編

比較

     ニュージーランドと日本の女性の立場を比較してみて共通しているのは、
     第二次世界大戦の間、男性が戦っていたという理由もあり
     女性が働き始めたという部分です。

     しかし、共通点はあるものの大きく違う点のほうがよく目立ちます。
     ニュージーランドは世界で初めて女性に参政権を与えた国として有名ということと
     国会議員の女性率がニュージーランドでは43%という大きな数字に対して、
     日本は国会議員の女性率が9.9%と少ないことがわかります。

     この数字から読み取れるように、この数字には大きな差があり日本の女性は
     政治に全く興味関心を持っていないことがわかります。
     また、これらから社会の女性に対する意識の違いが見えてくると思います。

     また、ニュージーランドでは女性首相によって女性が住みやすい街を作ることに貢献していますが、
     日本では女性をあからさまに侮辱するような行動が政治の議会などを通して見かけるように
     女性が政治に絡みにくい環境によって女性が政治進出しない原因になっています。

     ベン図を使って比較をわかりやすくしてみました。このように一目見ただけでも、
     日本の女性議員の進出状況が悪いことを理解することができます。

     ところで、SDGSという言葉を聞いたことはありますか?

     SDGS(sustainable development goals)とは2030年までに達成すべき人類共通の17の目標を意味します。
     国際女性デーは、SDGSが掲げている目標のうち目標5のジェンダー平等を
     実現しようというのに当てはまります。

     ニュージーランドと日本での目標5の状況を比べてみると、
     ニュージーランドは目標達成に向けて順調な状況ですが、
     日本は目標達成に向けて停滞していると書いてあるように
     日本がジェンダー平等に対して積極的ではないということがわかります。
     ここで明らかになったように、やはり日本はニュージーランドと比べて
     女性進出に遅れているといえます。

あわせて読みたい
Sustainable Development Report 2023 The Sustainable Development Report 2023 tracks the performance of all 193 UN Member States on the 17 Sustainable Development Goals.

まとめ

     これらのことから日本の政治の面では女性が進出しているとは言い難い状況であることが分かります。
     そして日本が進出しきれていない原因として挙げた「地方議会に女性が少ない」
     「議会が男性社会である」「意識が低い」というものを改善していく為には
     ニュージーランドのように女性も自ら行動していき道を開いてくことも大切です。

     実際に超党派の「国際女性活躍推進議連」の事務局長であり自民党の松川るい参議院議員は
     日本では、『政治は男性の世界』という意識が根強いく女性が立候補したいと思っても、
     男性の現職が多くて、なかなか選挙区が空かない」と話しています。

     また、議員になることができても、「選挙区での集会廻りなどで土日を使い、
     仕事のスタイルは不規則、子育て中の女性議員がそれに合わせるのは無理がある。
     ベビーシッターや夫の協力など、バックアップなしでは難しい」と話します。

     松川議員はこうした状況をふまえ、日本は男性の育児休暇の義務化をしていくのが良いと話しています。

     そして「日本の女性は、男性の7倍の時間を家事と育児に使っているとされています。
     これでは、女性が男性と同じように活躍することは難しい。
     一方で、日本の男性の育児休暇の利用率は5.1%に留まる。
     育休を取れば、出世に不利になると考えるからです。
     これを解消するためには、育休を事実上、義務化する。
     つまり、申請がなくとも、企業の側が育休を与えるようにするしかない」と話しています。
          ( https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/367844.html )

     ほかにも女性が政治に介入しやすくなる制度としてクオーター制というものもあります。
     クオータ制とは、政治における男女間格差を是正するため、
     議会選挙の候補者における一定の人数や比率を、女性に割り当てる制度のことです。

     最初に導入した国は、ノルウェーで、
     憲法や法律で定める方法と政党による自主的な運用を合わせて、
     現在、130以上の国がこの制度を導入しているとされています。

     日本の「政治分野における男女共同参画推進法」は、
     男女の候補者数ができるだけ「均等」になるよう、
     政党に努力を促す内容に留まっているため、
     クオータ制の推進というのは、
     これをより強制力のある制度に改めようという議論になります。

     例えば、日本の政界で注目されているのが、
     フランスで2000年に制定されたパリテ法です。
     パリテとは、フランス語で「同等」を意味し、この法律では、
     比例代表選挙の候補者名簿の記載順序を男女交互にすることや、
     選挙区での政党の候補者を男女同数にすることが定められました。
     また、候補者の男女差が2%を超えた場合には、
     政党への助成金を減額する罰則が定められています。

     しかしこれによって男性の側の正当なチャンスを奪うことになる、
     いわゆる逆差別になるということにもなりかねません。
     また女性の方が尻込みするのではないかという見方もありますし、
     そもそも、こうした制度は日本の政治風土になじまないという指摘もあると思います。

     これからは多様性が尊重される時代だといわれます。
     真剣に国民が向き合い議論することが大切です。

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